めばえ教室の卒業生 齋藤さん
看護師
齋藤向日葵
子育ての幅を広げてくれる、めばえ教室
小学生時代から憧れていた看護師
現在、私は小児科で看護師をしています。小学生のころから人の命を救う仕事に携われたらと思っていたのですが、ドラマで手術室の看護師さんを見てカッコいいなと感じ、その存在を意識するようになりました。その後、高校時代に入院中の祖母の面会に行った際、看護師さんの対応を直に見て、その素晴らしさに感激し、改めて看護師になりたいという気持ちを強くしました。
どの分野の看護の道を目指すか考えた際、特に影響を受けたのは保育士の資格を持っていた母でした。母はめばえ教室の先生でもあったので、私自身も教室で子どもと関わる姿をよく見ていました。私自身、小さい子どもと関わるのも好きだったので、看護師の中でも子どもと関われる小児科を目指すようになりました。
みんなで協力し、助け合う経験ができためばえ教室
母がめばえ教室の先生をしていた関係で、私も教室に通うようになりました。教室に入った当時のことは、さすがに幼すぎてあまり覚えていないのですが、知能テストを受けた記憶はあります
実際に教室に通うようになってからは、通うこと自体を嫌だと思った記憶はありません。教室には友達も通っていましたし、教材も遊び感覚でできるものが多く、特に保育園児くらいのころは、楽しい遊びができるからという理由で通っていたように思います。だんだんと年齢を重ねていくと、同級生がサッカークラブに入ったり、学習塾に通ったりするようになって、私もそれと同じように習い事をしている感覚になっていきました。
めばえ教室で印象に残っているのは、図形の教材です。教材を使って、ある図形を完成させてください、といったような課題が出るんですね。どんなふうに組み合わせたら正解の図形にできるのかを考えるのが楽しく、教室だけでなく、家に帰ってからも一人で考えたり、家族とも一緒に考えたりもしていました。そういった試行錯誤は当時も今も好きで、何かを組み合わせて答えを導き出すことは今も面白いなと感じています。
図形以外にもいろいろな教材がありましたが、私の感覚的にめばえ教室は“できなくても楽しむ”という空気感で、私はもちろん、ほかの子どもたちもやりたくないと言っている子はいなかったように思います。みんなで協力し、教え合ったりして、苦手なりに頑張るぞという意識がありました。
いろんな先生と話すのも楽しかった
めばえ教室には、1 クラスに複数の先生がいらしたのですが、母も実子の私をどう、ということはなく、誰に対しても同じように接していました。小児科の看護師になってから、「めばえ教室」に通っていたころ、考え方に特徴のある子がいたなと思い出すことがあるのですが、そういった子に対して特別な接し方をすることはなかったんですね。私は、ほかの子どもたちから見ると「先生の娘」という立場でしたが、当然、特別扱いをされたことはありませんでした。幼心に「私のママじゃん」と思っていたことはありましたが、教室にいる間は、どの子に対しても対等だったことがとても印象に残っています。
私のほうも、だんだんと教室になれてくると、母以外の先生に会いに行くような気持ちが強くなっていました。母以外の先生に懐いていましたし、先生方もいろいろと教えてくださって。高学年になってからは学校であった出来事をほかの先生に話しているところに母が加わることもあって、教材に向き合う時間以外もとても楽しかったです。
また、教室で印象的だった出来事としては、保護者の方に対する応対があります。子ども心に、保護者の方がいらっしゃると先生がひとり、その場からいなくなるのが不思議だったのですが、それは保護者の方にどんな教材に取り組んだのかを説明したり、質問を受けてそれに答えたりしていたからでした。どの保護者の方も、とても楽しそうに話を聞いてくださっていて、「家でもやってみます」と言いながら帰っていたことをよく覚えています。大人になって振り返ってみて、子どもたちへも保護者へも丁寧で、とても考えながら接してくれていたんだろうなと感じるようになりました。
学びの幅が広がる教材
小児科の看護師として今の子どもたちと接していると、やはり携帯ゲーム機やタブレットで動画を見たり、ゲームをしたりする子が多いなと感じます。個人的には、もう少し工作や折り紙、絵など、手を使った作業をしたり、本を読んだりする場が増えるほうが、よりよい発達を促すのではないかと思っています。めばえ教室は、実際に手を使う教材も多く、子育ての幅が広がると思うので、保護者の方には通ってみるのもいいよとお伝えしたいですね。
私はめばえ教室に通い、この教材はどんな順番で取り組んでいったらいいか考えることで、優先順位の付け方を学ぶことができました。今の仕事は、1 日に複数人の患者さんを受け持つことがあるのですが、どういった順番で仕事を組み立てていけば患者さんたちをお待たせすることなく仕事ができるのか、などといった考え方ができるのは、小さいころからその力を培ってきたからこそだと思っています。
私は、看護師として勤め始めて5年目になります。新人の教育を任されたり、学生さんの実習時にカンファレンスに参加したりするなど、中堅としていろいろな仕事を担当するようになりました。最近妊娠をして育休に入るのですが、これからのことは産休・育休中にさらに考えていきたいと思っています。