学研教室の卒業生 松島さん

利用者さんと松島さんが和やかに話をする様子

作業療法士
松島大地

訪問看護や手足に障がいがあるお子さんを支える活動の知名度を上げたい

人々の暮らしを助けるような仕事に

私は現在、大阪府河内長野市にある訪問看護ステーション エターナルで作業療法士をしています。私は生まれつき左手が親指と小指しかないのですが、学生時代はいろいろなスポーツを両親が経験させてくれました。スポーツをはじめとした多くの経験をしていく中で、私のような身体の問題を抱えたお子さんや、何らかの原因で日常生活を送りにくくなった方の支えになりたいという思いで作業療法士を目指しました。

作業療法士は、身体に障がいがある方はもちろん、精神に障がいを抱えた方、身体に麻痺やトラブルがあったり、事故などでケガをしてしまった方のリハビリを行ったりしています。学校や友人関係で悩んだり、保護者とのやりとりでもちょっとしんどいなと思ったりするお子さんと向き合うこともあり、そういった方々が生活しやすいよう、環境を整えていくことも仕事にしています。一例になりますが、スマートフォンなどのデバイスを操作しやすいような自助具を作ったり、眠りやすいように枕の調整をしたりします。私自身は、専門学校で3年学び国家試験に合格して、病院で2年勤めてから現職になりました。

作業療法士として施術をする松島さん

友達も多くて通いやすかった学研教室

学研教室には、小学1年から6年まで通っていました。もともと梅田先生が地域の子を集めて折り紙を折るなどの活動をする児童クラブを開いていたんですね。母が当時から先生とお付き合いがあり、おそらく母のすすめで教室に通うようになったんだと思います。私はあまり勉強が得意ではなかったのですが、先生は日々頑張ったことをたくさんほめてくれましたし、ごほうびをくださいました。鉛筆などでしたが、子どもですから頑張ったことに対して結果があることがうれしかったんでしょうね。先生はとてもやさしくて、私たち子どもの話にもしっかり耳を傾けてくれていましたし、何より家から近く友達もたくさん通っていたので、教室に通うことはすごく楽しかったです。

実は私、得意科目と呼べるようなものが何もなかったんですね。漢字の書き取りは、見たものをそのまま書けばいいだけなので楽だなと思っていましたが、いつも国語のプリントばかり提出していたことは先生に見抜かれていて(笑)。ほかの教科のプリントもやろうね、と言われていました。ただ、先生は怒ることはありませんでしたし、勉強以外にイベントなどもよく開催してくださいました。皆既月食の日には、先生の家に集まって見ようという話になり、教室学習と関係なく先生の家に集まることも多かったです。

誰にでも分け隔てなく接してくれた先生

勉強は苦手なままでしたが、決まった時間に教室に行って机の前に座るというスケジュール感や、何かを学ぶという習慣は教室で身についたのではないかなと思っています。

また、通っていた当時は気づきませんでしたが、振り返ってみると教室にはいろんな考え方をするお子さんも通っていました。でも、先生は誰にでも分け隔てなく接してくださいましたし、そういった面白い考え方をする子にも、その子に合った対応をされていたように感じます。私は学研教室以外の教室に通ったことはないのですが、学研教室は先生のご自宅が教室ということもあり、アットホームで自宅から近かったことも継続して行けたポイントになったと思います。ご自宅だと、おうちに遊びに行っているような気持ちになれたんですよね。それから、同学年以外の友達が増えたのも、学研教室に通っていたからだと感じています。

教室と家が近かったこともあって、先生とは勉強以外の話もたくさんしました。あるときふと、プライベートな相談ができる家族以外の大人なんだなと感じたことは鮮明に覚えています。最近はなかなか教室に伺えず、直接お話しする機会がないのですが、先生は私のInstagramもよく見てくれていて、今でも交流があります。

自分にできることに精一杯取り組みたい

学研教室は、幅広い年齢の子どもたちが通っていることが多いですが、私が通っていた教室もまさにそうでした。あれだけ年齢の違う子たちが同じ空間で一緒に勉強をすることはなかなかありませんし、自分より年上、年下の子たちと接する機会も、学研教室がなければほとんどなかったと思います。様々な考え方を持つ子と一緒の教室で話したり遊んだりすることも、教室だったからこそできた経験だったと思います。作業療法士になった今、年齢の違う子、様々な特徴を持つ子と話すときにどうすればいいか、教室で先生の姿を見て学んでいたんだと感じることがあります。

将来的には、私が勤めている訪問看護ステーション エターナルの知名度をもっと上げていきたくて、私自身の活動をSNSにアップするなどして、自分にできることを模索しています。
また、私は手足に障がいがあるお子さんの支援をする団体にも所属しています。手足に障がいのあるお子さんは、社会との接点は多いもののリハビリなどの対象にならないことが多いんですね。そういった方たち向けに相談教室や運動教室をもっと開催できたらと考えています。また、所属している団体が関東支部なので、関西支部も作りたいです。そして私自身としては、これからも利用者様に対して全力で向き合っていきたいです。