学研教室の卒業生 田中さん
バリスタ
田中航太
将来は、自分が携わった店舗のある街作りをしたい
ライフスタイルに密着したバリスタという職業
私は現在、東京にあるコーヒーショップでバリスタをしています。バリスタの主な仕事は、お客さんにコーヒーを提供することですが、それ以外にもお客さんの注文したスイーツや焼き菓子に合わせたコーヒーを提案したり、味のクオリティーを管理したりもします。また、私は店舗の経営にも関わっているので、経理や店員のトレーニング、お店のメニューデザインのほか、お店の写真を撮るなど、多岐に渡る仕事を行っています。また、2023年にはカヌレの形をしたパイ生地のスイーツ「パヌレ」を考案し、多くのテレビ番組で紹介していただきました。さらに全国各地のショップがパヌレを広めてくださって、これまでにない経験ができました。
もともとはイタリア料理を勉強したくて、高校卒業後、調理師の専門学校に通っていました。専門学校の研修でイタリアへ料理の勉強に行ったのですが、キッチンに入った状態だと、どんな方に料理を提供しているのか、お客さんは料理を食べてどう感じているのかがわからなかったんです。そんなある日、イタリアのコーヒーショップに入ったときに、自分の朝ご飯のメニューを聞かれ、それに合ったコーヒーを提供してもらえたんですね。こんなにライフスタイルに密着した仕事があるんだと感激したのをキッカケに料理人を退職。その後、1か月で約40か所のカフェを回り、その中で当時自分が働く事を憧れたコーヒーショップに無事合格し勤務を始めました。その職場でお世話になっていた先輩の力を借りて東京で働くようになったんです。
今、勤めているお店は、近所の方が雨の日や暑い日も頻繁に来てくださるような場所です。常連になってくださる方もいて、それがうれしいですね。また、初めてのお客さんからも「おいしかった」「また来ます」と言っていただけて喜びとやりがいを感じています。来てくださる方に日々感謝の気持ちでいっぱいです。
アットホームで通いやすかった学研教室
学研岐南教室に通い始めたのは、小学1年生の頃でした。当時、近所に兄のように慕う人がいて、その人が通っていたので自分も、という気楽な感じで通い始めました。その後、小学6年生まで通ったのですが、岐南教室は畳の部屋に長めの机を並べているような、すごくアットホームな場所だったんです。学校のような教室と机、椅子のある場所よりもリラックスしていられましたし、安心感がありました。きっちりとしすぎない空気だったのも、6年間通い続けられた理由だと思います。
国語や英語など、苦手な科目はありましたが、勉強すること自体は苦ではありませんでした。ただ、一人で勉強をするのは得意ではなかったんですね。だからこそ、学研教室のようにたくさんの子どもたちが集まる場所は、自分に合っていたのだと思います。何より、生垣先生がすごく好きだったので、教室に行くのが嫌だと思ったことは一度もありませんでした。
学研岐南教室は中学生指導をしていなかったので、中学生になって別の塾に行き、いろいろな先生に会いましたが、生垣先生は常に優しく、褒めながら育ててくれるタイプの先生だったなと感じています。厳しい先生が嫌いなわけではないのですが、小学生の頃はやはり優しい先生のほうがいいなと思っていたんですね。きっと厳しい先生だったら、教室に通い続けられなかったんじゃないかと思います。
苦手科目はゆっくり、得意科目はたくさん取り組ませてもらえた
生垣先生は、本当に褒めるのが上手な先生でした。先生が褒めてくれるから、国語や英語などの苦手な科目も取り組んでみようと思えましたし、苦手科目に取り組んでいるときは隣に座ってじっくりと教えてくれました。時間がかかっても見守ってくださったからこそ、自分でも頑張れたんだと思います。ただ、国語だけはどんなに褒められても好きになれず、成績は伸びませんでしたが(笑)。
得意科目のときは、教材を終わらせるとすぐに次の教材を用意してくださり、できるところまでやっていいよというスタンスでいてくださいました。教材を終わらせることができると、それが自信にも繋がるので、得意教科のときは、自分から新しい教材をせがんだりもしていましたね。
学研教室を卒業してからも、先生の家に遊びに行かせていただいたり、年賀状を交換したり、先生が飼っている犬に会いに行ったりしていました。東京で仕事を始めてからは山口県に帰る回数も減り、なかなか訪れる機会がなくなっていますが、今でもふとしたときに思い出して、会いたいなと思うんです。今回、先生からお声がけいただいてインタビューを受けることになったのですが、ここ数年はほとんどやりとりもできていなかったので、覚えてくださっていたことに驚きましたし、すごく愛を感じました。
教室で人とのコミュニケーションを学べた
小学生の頃は、学校が終わったあと、大人数の子どもたちが集まって勉強する環境って、塾くらいしかなかったと思います。ただ、ほかの塾だと、学年ごとにわけられることが多く、他学年の子と交流することがまずない。でも、学研教室は、いろいろな学年の子どもたちがひとつの部屋にいるので、彼らとやりとりする中で、コミュニケーション能力はすごく上がったと思っています。
また、学研岐南教室では、半年に1回くらい、イベントを開いていたんですね。ビンゴをやったり、みんなでゲームをしたりするから、普段あまり交流のない年上、年下の子とも仲良くなれました。コミュニケーションの力を培えたのは、学研教室に通っていたからだと思います。今の職業に就いてから、先生がほかの子に接しているときの言葉づかいなどからも学ぶところがすごくあったなと感じています。
国語の「筆者の気持ちを答えなさい」といった設問は、目の前に筆者がいないのに……と思ってしまって苦手でしたが(笑)、目の前にお客さんがいてくださると、好みを引き出したりコーヒーの説明をしたりするのにコミュニケーションが必要になるので、学研教室で身に付けたコミュニケーション力は、接客業にもすごく活きています。僕自身はもともとあまり話し上手ではなかったので、人と話すのが苦でなくなったのも学研教室あってのことだと感じています。
将来は、自分の街を作りたいというのが大きな目標です。カフェだけでなくファッションも好きですし、コーヒー以外のクリエイティブなことにも挑戦してみたいんです。そうして、自分が携わった店舗が複数ある街を作って、「あの街はカフェの街になったね」「オシャレなお店の多い街だね」と言ってもらえるような、雰囲気のある街を作っていけたらと思っています。