学研教室の卒業生 齋藤さん
ANA客室乗務員
齋藤ちひろ
誰かに影響を与え、笑顔にできる人になりたい
日本のおもてなしを世界の人に知ってほしい
現在は育休中ですが、私はANA(全日本空輸株式会社)で客室乗務員として働いています。学研教室では、国語と算数、そして英語を学んでいたのですが、そこで英語の楽しさを知り、英語を使う仕事がしたいと考えるようになりました。さらに、中学2年生の夏休みに2週間ほどアメリカへホームステイをして、そこに向かうまでに客室乗務員という仕事に触れ、世界中に行ける仕事があるんだと意識するようになったんです。ほかにも国際協力に興味がありましたが、大学に入ってからは日本のおもてなしを世界の方に知ってほしいという気持ちが強くなり、客室乗務員を選びました。
ホームステイをした際、ホストファミリーの方に妹の写真を見せたことがあったんです。「かわいいね」と言われて「かわいくないよ」と返したらとても驚かれて。アメリカは「家族も自分も大好き」という文化なので、それはカルチャーショックでしたし、自分の考えも変わりました。家族って大事、素敵だと思えるようになりましたし、考え方が変わり、自信を持つことができた、きっかけの出来事だと感じています。
私の母は、私が通っていた学研ニュータウンひまわり教室の先生なのですが、接客業を選んだのは、母の影響が大きかったとも感じています。母は人や子どもが好きで、子どもたちがどうしたら楽しく勉強できるか、どんな教材が合うかをいつも考えていて、尊敬していました。また、大学時代に私が塾講師のアルバイトをした際は、子どもたちとどう接したら良いのかについてアドバイスをもらったこともあります。「姿勢が悪いと字が乱れてしまうし、姿勢は学習の基礎になるから厳しく言ったほうがいい」など、たくさんのことを教えてもらいました。
子どもに合わせてくれる学研教室の先生
母は私が小学1年生の頃に教室を始めました。特に強制されたわけではありませんが、私も気が付けば教室で勉強をすることが日常になっていました。同級生も通っていたので友達にも会えるという楽しさもありつつ、いいライバルにもなってくれて、お互い「負けないぞ」と思いながら教材に取り組めたこともよかったのではないかと思います。
教室には、中学3年生まで通っていました。中学3年生の後半からは、高校受験のための塾にも通うようになりましたが、それ以外は学研教室一筋でした。もともと私は学ぶことが好きだったようで、小・中学生の頃は教材に向き合うのが大変だと感じたことはありませんでした。それは、学研教室での学習が勉強の進度に応じて、教材の難易度や分量を変えられたことも大きかったように思います。バリバリ取り組める子にはたくさん課題を出してくれて、すらすらと解いていたら難易度を上げてくれたんですね。そんな中、初めて英語に触れたのは、小学4年生頃でした。教材のCDで英語の歌や物語を聞いて、子ども心に日本語とは違う文章構成などに興味を持ちました。家に帰ってからも、CDを流して、アルファベットの歌や、ケンとメアリーという人物が主人公の物語を何度も聞き、暗記できるくらいになっていました。そんな私に、母が中学生向けの教材を用意してくれることもありました。そこで手応えのある教材に取り組めたことで、やる気がますます増していきました。
その後、母から英検に挑戦してみてはどうかと後押しをされたんです。小学校5年生で5級、6年生で4級と1年に1級ずつランクアップをしていったのですが、私が小学生の頃はまだ英検を受けている同年代の子が周囲にあまりおらず、人より英語ができるかもしれないと自信を持てたことが、将来の仕事選びにも繋がったように思います。
ひとりでも解ける仕組みがある教材
ほかの子どもたちはわからないことをすぐ質問に行っていましたが、私は母が先生ということもあり、ちょっと照れくさくて、なかなか質問に行けませんでした。でも、その分、自分で考えることができたと感じています。学研教室の教材は、「囲み」などにヒントがあり、ひとりでも解ける仕組みがしっかりできているんですね。ポイントをきちんと読み込んで時間を掛ければ、問題が解けるようになる。基礎のあとにステップアップした問題も用意されていたので、とても学びやすかったです。
また、適度な緊張感があったのも、自分にとってはよかったのだと思います。先生をしているときの母は厳しい面もあり、ちゃんと勉強に向き合えていない子を叱ることもありました。先生の子どもなのだから、自分が叱られてはいけないという気持ちもあり、まじめに勉強に取り組むことができました。
さらに、教室ではお楽しみ会のようなイベントもあって、それも学びを深めてくれました。私は英語が好きだったこともあり、ハロウィンやクリスマスにみんなで集まって英語劇をしたことをとてもよく覚えています。日本の童話の英語バージョンをみんなで演じたり、紙芝居で発表したりもして、それによって英単語をさらに覚えることができました。英語という文化をさらに深く知るきっかけにもなったので、すごく楽しかったです。
学研教室で学べた積み重ねの大切さ
客室乗務員としてお客様とお話をする際、サービス面はもちろんですが、安全に関してお客様に理解していただくシチュエーションがたくさんあります。それを正しい英語で説明することがとても大切なので、学研教室時代から学んできた英語は、とても役に立っています。また、1年ほど広報業務も担当し、海外の航空会社とのコラボレーションでSNSを運用しました。コラボレーションに関する会議はすべて英語だったので、学んできたことが活かせたと感じています。ただ、私の英語も完璧というわけではないので、日々学びですし、いくら勉強しても足りないなと思いながら過ごしています。
実は、客室乗務員になる前の訓練で、2か月ほど座学があるんです。勉強と試験を繰り返すのですが、それが苦にならなかったのは学研教室でコツコツと積み重ねることの大切さを知っていたからだと思います。また、5年ほど前にソムリエの資格を取ったのですが、その勉強も楽しめました。新しい知識を取り入れることが苦にならなかったのも、学びが身に付いていたからだと感じています。
将来的には、誰かに影響を与えられる、そんな人物になりたいです。私のロールモデルは母なので、母のように身近な人を大切にし、笑顔にできる人物になりたい。客室乗務員としてはもちろん、もし仕事が変わったとしても、そのような人物でありたいですし、そう考えるようになって、改めて母の影響の大きさを感じています。