学研教室の卒業生 廣瀬さん

NXスペイン株式会社(旧スペイン日本通運株式会社)
バルセロナ支店
廣瀬かおり

日本のモノを世界へ、世界のモノを日本へ届けたい

世界が広がったブラジルへの留学

現在私は、日本通運の海外拠点の1つである、NXスペイン株式会社のバルセロナ支店に海外業務研修員として勤務しています。海外業務研修員というのは、将来駐在員として海外で働きたいという希望を持つ社員が、1年間現地法人でその国の同僚と働き、グローバルビジネスに必要な業務知識やスキル、基礎的なマネジメント知識を習得する制度です。私は将来、駐在員として活躍したいという思いを持っておりましたので、手を挙げてスペインに来ました。現在3か月ほど生活していますが(2023年9月時点)、買い物をする時に店員さんから「おつりの紙幣や小銭が無いからカード払いにしてください。」と言われたり、車を運転する時の交通ルールを守らない人が多くヒヤヒヤしたりと、日本にいた頃には想像できなかったようなハプニングが毎日起こりますが、安全に楽しく過ごしています。

私が海外で働きたいと思ったきっかけは、サンパウロに単身赴任していた父のところに家族で1週間滞在したことと、大学時代にサンパウロに留学したことです。家族と滞在した時は大きな東洋人街がとても賑わっていたり、多くの日系ブラジル人が日本語を話していたり、日系移民の博物館があったり、遠く離れた異国で日本を身近に感じることを不思議に思いました。当時私は高校2年生で進路を考える時期でしたので、ブラジルのことを広く深く勉強できる大学へ進学することを決心しました。そして、大学入学後はポルトガル語の勉強に励み、3年生の時には1年間サンパウロ大学へ留学しました。そこで生活する間、現地で買った新品のボールペンのインクがすぐに出なくなってしまったり、スーパーでは砂糖や塩の袋の質が悪く、誤って床に落としてしまった時に袋が破れて中身が全てこぼれてしまったり、不便さを感じると同時に、「ここに日本のあの商品があれば、この小さな悩みが解消されるのに。」と思うようになりました。そこで、「日本のモノを海外の人に知ってもらい、そして海外のモノを日本の方に知ってもらえるような、日本と海外を繋げる仕事に就きたい。」と考え、今の仕事を選びました。

スペインで食べたパエリア

楽しく勉強できそうだった学研教室

学研教室には、両親の勧めで中学校の3年間通いました。私は4人姉弟の長女なのですが、最初に家に入っていたチラシを見て両親が末っ子の弟を通わせるようになりました。そこで先生と出会い、その先生の明るさや教室の雰囲気を見た両親が他の姉弟も通わせたいと思ったようです。私はちょうど同じ時期に他の進学塾を見学しましたが、そこは入試対策が中心で全員がライバルというピリピリした環境に見えました。私は楽しく勉強をしたかったので、その塾は合わないと思い、学研教室を選びました。

当時は、高校受験に向けて複数の科目を指導して頂きましたが、中でも英語に力を入れて頂きました。私が通っていた学研清見台南教室の先生は、励ましの言葉をたくさんかけてくださる先生で、あまり要領が良くなく、英語で1つの単語を覚える時には10回、20回と書き取りが必要だった私にいつも声をかけてくださりました。特に覚えているのは、「毎日積み重ねることができるのも才能の1つだ」と言ってくださったことです。弟とは年齢が近く似たようなプリントを解くことが多かったのですが、弟はプリントに書いてあることをサッと覚えていました。一方、私は集中しても同じことができずにネガティブな気持ちになることが多々ありました。その時に先生は、私が単語を殴り書きしたノートを見ながら「これは他の人にはできないことだよ。勉強法は人それぞれだから、あなたが自分に合うと思った方法を信じて進めたら良いよ。」と言ってくださり、人と比べて時間がかかることは決して悪いことではない、と自己肯定感が上がったのを今でも覚えています。

また、他の塾の教材やドリルのような冊子の場合、その分厚さにプレッシャーを感じ、特に苦手な科目だとやりたくない気持ちが強くなってしまいますが、学研教室は教材がプリントだったため、「まずは今日最初のプリント1枚を終わらせるぞ。」と集中力が続きました。私は数学が苦手で、先生が「数学のプリントを1枚終わらせたら、英語のプリントを3枚やってもいいよ。」と言ってくださり、大好きな英語を勉強するために、数学も一生懸命に取り組みました。今現在も、仕事関係で勉強する時にすぐ机に向かう習慣があるのは、学研教室で培われた力だと感じています。

なんでも話せる学研教室の先生

学研清見台南教室は私が通っていた当時から卒業生が教室に来ることが多く、とてもフレンドリーな教室だと感じていました。私も教室を卒業後、高校時代には放課後に顔を出したり、大学時代にフラメンコサークルに所属していた時は、先生を発表会にご招待しました。先生とお話しする時は日々の出来事だけでなく、「大人になったら英語圏に住んでみたい。」「外国人のお友達を作って、色々なことを語りたい。」「いつか会社の名前や日本を背負って外国で働いてみたい。」と夢を語ることもありました。社会人になってから近況を連絡すると先生から「10年前に言っていたよね。」「きっとその道に進むと思っていた。」と言われることが多いです。毎年何十人もの子どもたちを見ている中で自分でも覚えていない細かなエピソードを記憶してくださっていることが本当に嬉しいです。

ワールドワイドに世界を見ていきたい

学研教室に通ったことで、自分で考えて行動を起こす習慣がつきました。先生は毎回、答えではなくヒントを出して教えてくださったので、それをもとに自分で答えを出し、正解した時は自分の力を信じることができました。たとえ間違えたとしても、どこで躓いたのかを分かりやすく解説してくださったので、「次はきっとできる」と思うことができました。今現在、国籍や考え方が異なる同僚と毎日仕事をする中で、日本で働くだけでは想像できなかった困難にぶつかることも多いですが、彼らとの会話をヒントに「私が言い方を変えたら相手に伝わるかな?」「これはイメージ図を描いた方が分かりやすいかな?」と日々考えながら行動しています。

また、「何事もまずはやってみよう!」という気持ちにさせてもらえたことも、今の仕事に大きく役立っています。日本で働いていた頃、非英語圏であってもビジネスは英語で進めると想像していましたが、いざスペインに来ると必ずしもそうとは限らず、スペイン語で仕事を進めることも多いことが分かりました。このように、現地に行って初めて知ることは多いですが、それでも「まずはやってみよう」と前向きに取り組むことは学研教室で培われた力の1つだと感じています。

将来は「物流を通して日系企業の様々な製品を海外に輸出し、海外の製品を日本に輸入して世界中の人々の生活を豊かにしたい」という気持ちは、今も軸として私の中にあります。学生時代には南米・ブラジルへ留学し、現在はヨーロッパ・スペインで働いているため、今後はどちらかの地域のプロフェッショナルになりたいという気持ちを持つと同時に、まだ未知のことが多いアジアやアフリカでも活動してみたいと思っています。中学・高校で英語、大学でポルトガル語、そして社会人になってスペイン語を勉強して、「外国語を習得すると日本語では得られない情報が得ることができ、自分の知らない世界にもっと触れることができる。」と感じました。これからも好奇心とワールドワイドなものの見方をもって、人生を豊かにしていきたいと考えています。

スペインでのお祭りの様子